実は製菓専門学校で教えない自分らしさの秘密
技術の先にある自分らしさ
確かで揺るがない技術というものは、豊かでのびやかな表現へとまっすぐ向かっていくための、あくまでもはじめの出発点にすぎないものなのです。
まったく同じ工程を、すでにしっかりと身につけている人がまわりに大勢いるというなかで、いったい何が、一人ひとりの作品を、ほかにはない特別なものへと変えていくのかが、改めて静かに問われてきます。
色のたくみで絶妙な組み合わせや、形そのものの選び方、そして香りをそっとそえるように丁寧に重ねていくやり方といった、細部のすみずみにまで、作り手それぞれの感性がじんわりとにじみ出てくるため、確かな技術をしっかりとした土台にしながらも、そこへ自分らしさをいったいどう乗せていくのかが、その人の個性を決めていく、大きく重要な分かれ道になっていくのです。
そのほんのひと手間のなかにこそ、ほかの誰のものでもない、その人だけのかけがえのない世界が、静かに深く宿っているのです。
製菓専門学校では、まず基本をしっかりと確実に身につけたうえで、自分の自由な発想を思いきり存分に試していける、そんなのびやかな場が、ていねいに用意されています。
型をただなぞるだけで終わってしまうことなく、その先に大きく広がっている、自分だけのかけがえのない表現へと果敢に踏み出していくことを、力強くやさしく後押ししてくれる、学びの環境。
同じ素材を使っていても、そこへ込められた思いや視点の違いが、不思議と仕上がりににじみ出てきて、作り手の人柄そのものを静かに映し出す、唯一の作品が生まれていくのです。
発想を形にする力の育て方
頭のなかにふんわりと浮かび上がってきた理想の姿を、そのままの形へと、現実の確かな作品として作り上げていくのは、決してけっして簡単なことではありません。
次から次へと豊かにわき上がってくる発想を、たった一つの確かな作品へと、しっかりとした形に変えていくためには、それを足元からどっしりと支えてくれる、地道な訓練が必要になってきます。
ふと思いついたばかりの構図を、実際に自分の手をこまめに動かして何度も試してみて、思うようにうまくいかなかった部分を、もう一度じっくりとていねいに見つめ直し、素材それぞれの持つ特性と根気強く粘り強く向き合いながら、少しずつ理想の姿へと近づけていく、この終わりのない粘り強い繰り返しのなかでこそ、表現するための確かな力が、しっかりと着実に鍛えられていくのです。
試行錯誤を重ねたその数の分だけ、表現のための確かな精度というものは、着実に少しずつ磨かれていきます。
パティシエという夢をまっすぐ志す人が、こうして発想を形にしていく地道な訓練を、こつこつとひたむきに重ねていくと、頭のなかに鮮やかに描いた理想の像と、実際の手の細やかな動きとが、少しずつぴたりと寄り添うように一致していきます。
頭のなかの自由な想像を、確かで揺るぎない現実の作品へと、しっかりと橋渡ししていくその確かな力こそ、自分だけの個性を世の中へと示していくために、決して欠かすことのできない、何より大切な技量。
思い描いた通りにいかず何度も作り直すその過程でこそ、素材への理解が一段と深まり、やがて自分の手の感覚と頭のなかの理想とが、見事に重なり合う瞬間が訪れます。
感性を磨き続ける環境の価値
表現するための確かな力というものは、一度しっかりと身につけたら、それでもうおしまいだ、というような性質のものでは、決してありません。
周囲の世界からたえず新しい刺激を受け取り続けていくことによってこそ、人の感性というものは、いつまでも生き生きと瑞々しいまま、確かに保たれていくものなのです。
多彩で個性あふれる豊かな作品の数々に、できるだけ数多くじっくりと触れ、ともに学ぶ仲間のひらめきに思わず深くうなずき、めぐりめぐっていく季節や、身近に感じられる自然のうつろいから、まったく新たな着想をのびやかに得ていくそのなかで、ほかでもない自分のなかにある表現の引き出しが、少しずつ着実に増えていき、表現の幅そのものが、知らず知らずのうちにぐんぐんと大きく広がっていきます。
日々のなかで出会う、ほんの小さな出会いの一つひとつが、自分の感性を、そっとやさしく豊かに耕してくれるのです。
お菓子づくりというものは、ほかでもない作り手自身の内面を、そっとやわらかく映し出していく、表現の繊細な営みでもあります。
自分の感性を、いつまでも飽きることなく磨き続けていける、そんな恵まれた場にしっかりと身を置き続けることで、その人だけの個性は、いっそう深く豊かな輝きを増していく、そんな成長をやさしく足元から支え続けてくれる、学びの環境の確かな価値。
心を動かされた風景や記憶を、そっと一品のなかへ織り込んでいくと、ただ美しいだけでは終わらない、見る人の心に静かに語りかけてくる、深い奥行きが生まれていくのです。
まとめ
確かで揺るがない技術という土台の、そのしっかりとした上にこそ、自分らしさをていねいに重ねていってこそ、出来上がった作品は、見る人の心に深く長く残るものへとなっていきます。
型という決まった枠を、軽やかにのびのびと超えて、自分だけのかけがえのない世界を自由に描き出していく、その確かな力こそが、作り手それぞれの真の魅力を、確かではっきりとした形へと、しっかりかたちづくっていくのです。
発想を形にしていく地道な訓練を、あきらめることなく粘り強くこつこつと重ね、自分の感性をいつまでも飽きずに磨き続けていける、そんな恵まれた環境にしっかりと身を置き続けていくことで、頭のなかに鮮やかに思い描いた理想は、確かで揺るぎない作品へと、その姿を少しずつ着実に変えていき、その人だけの個性は、いっそうの深い輝きを、まばゆく放っていきます。
磨き続けていく、その地道な時間の積み重ねこそが、表現というものを、より深く豊かなものへと育てていくのです。
表現するための確かな力をていねいに育てていく学びは、ほかの誰でもない、まぎれもない自分だけの世界を、のびやかに切り開いていくための、大切な扉になります。
窮屈な型のなかにいつまでもとどまることなく、どこまでも自由にのびのびと羽ばたいていく輝かしい未来へと、まっすぐにつながっていく、何ものにも代えがたい、かけがえのない成長の道のり。
自分らしさをのびやかに表現できる喜びを一度知った人は、作ることそのものへの尽きない愛着を胸に、生涯をかけてその道を、いきいきと歩み続けていけるはずなのです。