製菓専門学校の進み方についていけない時期に胸の内で起きていることの打ち明け話
ついていけないと感じ始める時期と場面
製菓専門学校の授業は決められた期間の中で組まれているため、進み方が早いと感じる時期が必ず訪れます。入学して数か月が過ぎたころに、手が追いつかなくなったと感じ始める人が多いと言われています。
最初のつまずきは、道具の扱いに気を取られている間に、説明が先へ進んでしまう場面から生まれてきます。手元に集中していると耳が留守になってしまうため、大事な指示を聞き逃してしまうことがあります。
工程の数が増えてくる時期も、ついていけないと感じやすい場面として挙げられることが多くなっています。ひとつずつなら分かるはずの作業でも、続けてつなげる形になると急に難しく感じられてしまいます。
周りの人が滑らかに手を動かしている様子を見ると、自分だけが遅れていると思い込んでしまいがちです。実際には多くの人が同じところでつまずいていますが、その事実は表からは見えにくくなっています。
実習と講義の両方で課題が重なる時期にも、追いつけないという感覚が強まってしまうことになります。手を動かす練習と知識の整理を同時に進めるのは、慣れないうちは負担の大きい取り組みになります。
体力の面で追いつかなくなるという形のつまずきも、実際には少なくない割合で起きていることになります。立ち続ける時間が長い日が重なると、集中が保てなくなって普段はしない失敗が増えてしまいます。
評価が返ってきた時期に、思っていたより低い結果を見て気持ちが沈んでしまう人も出てくることになります。数字として示されると受け止めが重くなるので、この時期の心の揺れは想像以上に大きなものです。
こうした時期は誰にでも訪れるものですが、当人にとっては自分だけの問題に見えてしまうという特徴があります。だからこそ胸の内で何が起きているのかを知っておくことが、その時期を乗り越える助けになります。
口に出しにくい胸の内で起きていること
ついていけないと感じているとき、多くの人が最初に抱くのは、周囲に知られたくないという気持ちです。手が遅いと思われたくない一心で、分からない部分を隠してしまうという場面が生まれてしまいます。
質問をためらってしまうのも、この時期に起きやすい変化として挙げられる胸の内のひとつになります。いまさら聞けないと感じてしまうと、疑問が積み重なっていって余計に追いつけなくなってしまいます。
班の中で足を引っ張っているのではないかという不安も、静かに膨らんでいくことが多くなっています。仲間に迷惑をかけたくないという思いから、無理を重ねて黙り込んでしまう人も少なくありません。
自分にはこの道が向いていないのではないかという迷いが、頭をよぎる時期でもあると言えるでしょう。ひとつの遅れが将来の全体像へ結びついてしまい、必要以上に重く受け止めてしまいがちになります。
家族に心配をかけたくないという気持ちから、家では順調だと話してしまう人も実際に多く見られます。打ち明ける相手のいない状態が続いてしまうと、抱え込む重さが増していってしまうことになります。
眠りが浅くなったり食欲が落ちたりと、体の側に変化が表れてくる場合もあると知っておく必要があります。心の疲れは体のほうに出ることが多いので、この兆しに気づけるかどうかが大切な分かれ目になります。
一方で、この時期を越えたパティシエの多くが、あのときが転機だったと振り返っているという事実もあります。つまずきに向き合った経験が、自分なりの学び方を見つけるきっかけになっていることが多いのです。
胸の内で起きていることを言葉にできた瞬間から、状況は少しずつ動き始めると言ってよいでしょう。抱え込んでいた重さの正体が見えてくるだけでも、次に取るべき手立てを考えられるようになります。
遅れを取り戻すために実際にできる手立て
遅れを取り戻すための第一歩は、どの工程でつまずいているのかを、書き出して絞り込む作業になります。全体についていけないと感じていても、実際に詰まっている場所はいくつかに限られていることが多いのです。
絞り込めたら、その工程だけを取り出して繰り返す時間を、意識してつくるようにしてみてください。全部をやり直そうとすると続かないので、的を絞った練習のほうが確かな効き目を持ってくれます。
分からない部分は、遠慮せずに尋ねる形へ切り替えることが、遅れを止める最も早い手立てになります。同じように尋ねる人は珍しくないので、いまさらだと思う必要はまったくないと考えてよいでしょう。
班の仲間へ正直に伝えてみると、同じところで困っていたと分かる場面が思いのほか多く生まれます。互いの困りごとを共有できる関係ができれば、練習の相手を頼み合うこともできるようになります。
体の疲れが原因になっている場合は、睡眠と食事を整えることが最優先の対策として働いてくれます。集中が戻ってくれば普段の力を出せるようになるので、休むことも立て直しの一部として考えましょう。
進み方が早いと感じるときには、先に手順の流れだけをつかんでおくという方法が助けになってくれます。細かなところが分からなくても全体の道筋を持っていれば、実習の中で置いていかれにくくなります。
比べる相手を周囲ではなく過去の自分へ切り替える工夫も、気持ちを立て直すうえで確かな効果があります。先週できなかった動作がひとつ増えていれば、それは十分に前へ進んだ証だと数えてよいものです。
どうしても抱えきれないときには、学校の相談できる窓口へ話をしてみるという道も用意されています。ひとりで背負い続けるよりも、話せる相手を見つけておくほうが早く楽になれる場合が多くあります。
まとめ
授業の進み方についていけないと感じる時期は、多くの人が通り過ぎていく道であり、特別な出来事ではありません。手が追いつかない、工程がつながらない、体力が続かないという形をとって、誰にでも起きうるつまずきになります。
その時期の胸の内では、知られたくない、いまさら聞けない、迷惑をかけたくないという気持ちが重なっていきます。抱え込んだまま隠し続けると重さが増していくので、まず言葉にしてみることが状況を動かす第一歩になります。
立て直すための手立ては、つまずいている工程を書き出して絞り込み、そこだけを繰り返し練習することから始まります。全部を一度にやり直そうとしても続かないので、的を絞った練習のほうがはるかに確かな効き目を持ってくれます。
尋ねること、仲間へ正直に伝えること、睡眠と食事を整えることも、遅れを止めるために欠かせない現実的な対策です。ひとりで背負い続けるよりも話せる相手を見つけるほうが、結果として早く立ち直れる場合が多くなっています。
この時期を越えた人の多くが、あのつまずきこそ転機だったと振り返っている事実は、大きな励ましになるはずです。製菓専門学校で味わう遠回りの時間は、お菓子と長く向き合っていくための足腰を、静かに鍛えてくれています。