製菓専門学校で見落とされる自由という選択
狭い枠に自分を閉じ込めるな
将来へとまっすぐ続いていく道は、たった一本きりしか存在しないのだと、知らず知らずのうちに思い込んでしまっている人は、世の中に決して少なくありません。
けれども、まずはじめに、その狭く固まってしまった視野こそが、本来であれば豊かに広がっていたはずの可能性を、自分自身の手で狭めてしまっているのだということに、しっかりと気づいてほしいのです。
菓子づくりの確かな技術をその身にしっかりと身につけた、その先には、店舗での製造というよく知られた道に限らず、世にない新しい商品の開発や、食にまつわるさまざまな企画の立案、そして自分の後に続いていく人を一から育て上げていく指導といった、実に幅広い舞台が大きく待ち受けており、当初想像していた以上に多彩な道が、四方八方へと枝分かれして大きく広がっています。
その分かれ道のあまりの多さに、はじめのうちは、思わず驚かされてしまうことになるかもしれません。
製菓専門学校で学びの基礎をしっかりと固めた人であれば、こうした数えきれないほど多くの選択肢が大きく広がる、可能性という名の広い海原へと、力強く勇敢に漕ぎ出していくことができます。
たった一つの肩書きに、ほかでもない自分自身をきつく縛りつけてしまうことなく、どこまでも広い世界全体をぐるりと大きく見渡す目をしっかりと持って、自分が進むべき方向を、自分自身の手で堂々と選び取っていってください。
一つの道に進んでみてはじめて、自分の本当の適性や思いがけない興味に気づかされることも多く、はじめから可能性を狭めずにいることが、より満ち足りた選択へとつながっていきます。
基礎を武器にして領域を越えろ
確かで揺るがない土台を、しっかりとその身に備えている人というのは、まったく思いもよらなかったような意外な場所であっても、堂々とその力を発揮していけるものなのです。
これまで学んできた技術というものは、決してたった一つの限られた場所だけで使うための、窮屈な道具などではないのだということを、まずはじめに、しっかりと自分の心に深く刻みつけておいてください。
素材の細やかな扱い方や、配合の背後に隠れている確かな理屈、そして衛生に関する正しい知識といった基礎の部分は、たとえどんな現場へと身を移していったとしても、幅広く柔軟に応用が利くものであり、それらを頼もしい武器としてしっかりと携えながら、まだ見ぬ未知の領域へと果敢に踏み込んでいけば、自分が活躍していける場は、自然とどんどん大きく広がっていくのです。
その揺るがない基礎の強さこそが、新しい果敢な挑戦を、足元からしっかりと支えてくれる確かな土台になってくれます。
パティシエとして地道に積み重ねてきた貴重な経験を、出発点としてしっかりと足元に据えながら、食の広い世界に大きく広がっていくさまざまな仕事へと、自分の視野をのびのびと伸ばしていく人は、決して珍しい存在ではありません。
これまでせっかく学んできたことを、たった一つの狭い枠のなかにきゅうくつに閉じ込めてしまうことなく、果敢に堂々と領域を越えていく、その前向きな姿勢を、どうかいつまでも大切に持ち続けていってほしいのです。
基礎という共通の土台があるからこそ、たとえ畑違いに見える仕事へ移ったとしても、これまでの学びがしっかりと生き、新しい挑戦をなめらかに後押ししてくれるのです。
自分の興味を信じて道を選べ
周囲からのなにげない評判や、世間で当たり前のように受け止められている常識だけをただ頼りにして、自分の大切な進路を決めてしまうのは、いかにももったいない選び方だと言わざるを得ません。
何よりもまず第一に大切にしてほしいのは、ほかでもない自分自身の心が、確かにまっすぐ動いていく、その方向に対して、どこまでも正直であり続けるのだということなのです。
自分の手で何かを作り出すという行為そのものの純粋な楽しさに強く心を引かれるのか、それとも、出来上がったものを誰かへとていねいに伝えていく喜びにこそ心が躍るのか、あるいは、まだ誰も知らない新しい味を一から生み出していく深い探究に、たまらない魅力を感じるのか、その問いに対して正直であればあるほど、最後には心から満足できる自分だけの道へと、たどり着きやすくなっていきます。
だからこそ、ほかの誰の声でもない、自分自身の内側から響いてくる声に、しっかりと静かに耳を澄ませてみてください。
お菓子づくりをじっくりと学んだ、その先には、それぞれの人が抱く興味や関心に応じた、ぴったりの居場所が、必ずどこかに見つかるものなのです。
ほかの誰かの物差しなどではなく、ほかでもない自分自身の心からの正直な関心をしっかりと信じて、心から納得のいく進路を、堂々と胸を張って選び取っていってください。
周囲の期待にただ応えるのではなく、自分自身が心からわくわくできる道を選んだ人は、たとえ困難に出会っても、その情熱を支えにして、長く粘り強く歩み続けていけるものです。
まとめ
これから進んでいく先を、無理に無理を重ねてたった一つへときゅうくつに絞り込んでおく必要など、もともとどこにも存在しません。
これまでしっかりと学び取ってきた確かな技術というものは、あなた自身が漠然と思い描いている以上に、はるかに広い世界へとあなたを連れ出してくれる、とても大きな力を、その内側に静かに秘めているのです。
確かで揺るがない基礎を、頼もしい武器としてしっかりと足元に据えて、果敢に未知の領域を越えていき、自分自身の興味に対してどこまでもまっすぐに正直に道を選び取っていけば、製造や開発や指導といった実に多彩な舞台のなかから、心から深く納得できる、自分だけの居場所が、きっと必ず見つかっていきます。
そして、その大切な居場所というものは、ほかでもない自分自身の手で選び取ってこそ、はじめていきいきと深く輝くものなのです。
どこまでも狭く小さな一つの枠のなかに、ほかでもない自分自身を閉じ込めてしまうことなく、どこまでも広く大きな視野で、自分自身の未来の輝かしい姿を、のびのびと自由に描いていってください。
学びの、その先に大きく開けていく無限の可能性をしっかりと信じて、背筋をぴんと伸ばして前を向き、確かな一歩を力強く踏み出していってほしいと、心から強く願っています。
進む道に一つの正解などなく、自分で選び取り、自分で切り開いていくところにこそ本当の意味があるのだと心得て、迷わず前へと足を踏み出していってほしいのです。